はて知らぬ遠き旅に上った身は――ただ真直に進むのだ。新らしい力が地上に動いている。そして輝いた祝福が空に在る。若草の芽が萠え出で、樹の梢が伸びている。小鳥が空に昇っている。皆真直に上へ向って動いているのだ。そして大空に太陽が輝いているのだ。豊島 与志雄「旅人の言」

チャイハネ マーケット(月組)のまえがきより

直営店「チャイハネ」は年中無休である。地震や台風でお客がいない日だけ休んだことがある。もちろん交代で週二日は休む。それでも国民の祝日やさらに盆正月を休む会社と比べると年次有給休暇を全部とってもまだ足りない。そのため考えた結果、「サクセス休暇」というのをこしらえた。三年間働いたら一ヶ月の有給休暇を取れるようにする。サクセスは成功と言う意味と継続勤務の二重の意味がある。

サクセス休暇が始まると旅好きの多いメンバー達は次々と海外に出て行く。途中からレポートを書いて貰うことを義務づけしたので面白い紀行文が集まりだした。サクセスじゃなくて有給休暇を取った場合でも書いて貰った。

そして一方で「シルクロード舞踏館」という機関紙があった。ヨガや太極拳や小演劇や小コンサートその他のエクササイズの場所として会社直営のホールがあり、その隔月刊のB4判の機関紙であった。始めのうちは「トルコ風呂」の名称の反対運動や中華街での「春節」の復活キャンペーン等をやっていたが、徐々に紀行文を載せるようになった。(進藤幸彦)