Thrilling Viet Nam

Thrilling Viet Nam【スリリング・ベトナム】

ずっと前から行きたかったベトナムに今回行くことになった。海外に行くのは二回目で、一回目は専門学校の海外研修。ツアーを申し込んだとはいえ、自分達だけで旅行に行くのは初めてだった。

ソウル経由でダンソンニャット空港へ。着いたのは夜。空港の外には噂通りの人だかり。その中で、私達の名前の書かれている紙を広げて持っているガイドのフックさんを見つけた。

ツアー会社の車に乗り、宿泊するホテルへ向かった。道路は日本と同じような感じ。しかし、たくさんのバイクが前後左右に走っている。四車線程の広い道なのに信号が全くない。バイクに乗っている人達は皆、当たり前のようにヘルメットを被っていない。そんな中を車は時速六十キロものスピードでクラクションを鳴らし続けながら、時には反対車線にはみ出してバイクの横をスレスレで通っていく。それをハラハラと心配そうに見ている私達を見てフックさんは面白そうに「ベトナム人は腕の一本や二本どうってことない。事故をすればお金で解決する。」と言った。ベトナム人は自動車や原付の免許を持っている人はほとんどいないそうだ。それはもちろんお金と時間がかかるから。原付なんかは自転車の延長のように考えているらしい。日本だったら無免許でノーヘルなんてすぐに捕まってしまうだろう。

二日目。お寺がたくさんあり、別名チャイナタウンとも言われるチョロンに行こうと、ベンタインバスターミナルへ行った。前もって用意しておいた
(チョロンへ行きたい)
(チョロンへ行きたい)と書いた紙を係員らしき人に見せた。すると外のバスを指差した。確かにチョロンと書いてあるが、日本のバスのように停車はしてくれない。地元の人々が次々と飛び乗っていく中で結局置いて行かれてしまった。

三〇分くらい待って、やっとバスに乗れた。その間もチョロン行きのバスは来たが乗れなかった。車内は冷房が効いていて座り心地も良かった。食べ物のような不思議な臭いにも、バスや周りのバイクの暴走運転にも鳴らし続けるクラクションの音にも次第に慣れ、三〇分程でチョロンに到着。唯一話せるベトナム語、
(ありがとう)
(ありがとう)と言ってバスを降りた。

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市内で二番目に大きいビンタイ市場へ行った。所狭しとお店が並んでいる。一番驚いたのは道端で生のお肉が売られていることだ。蒸し暑い中で氷も何もなく売っている。ベトナムの人達はどういうお腹をしているのだろう? とにかく臭いがすごい……。

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臭いに負けて次の場所へ行くことにした。バスターミナルに戻って、友人がベンチでタバコを吸っていると周りにいたベトナム人の男性が突然友人を見て冷やかし出したのだ。受付の女性は怒った顔をして睨んでいる。どうやら女性が人前で喫煙するということはベトナムではタブーとされているらしい。『郷に入れば郷に従え』で、タバコは中断。

次に行くのはメコンデルの玄関口、ミートーだ。長距離バスにゆられ、二時間程度で到着。バスを降りるとしつこいバイクタクシーの運転手がずっと付きまとってくる。日本語が出来る人に、街まで歩いたらどのくらいかと尋ねると、三〇分程度だと教えてくれたので歩くことにした。けれど三〇分たってもぜんぜんそれらしき景色にはならない。雨も降り出し、一時間以上歩いてもまったく着かず、とうとう歩けない程のどしゃ降りになってしまった。途方に暮れて雨宿りをしていると、二台のバイクタクシーがやってきた。なんと後ろに乗っていたのは日本人!! その女性はレインコートのフードをおろしながら「こんにちは」と笑顔で言った。

しかしなぜこの人達は私たちがここに居たのを知っていたのか? 後から話を聞くとバイクタクシーの人が困っている私達を見つけ、日本人を連れて来てくれたそうだ。その命の恩人の二人はケイコさんとハルさん。ハルさんは四年前に一人旅でベトナムに来た時に仲良くなったトムさんを訪ねてきたそうだ。その感動の再会という時なのに、トムさんは私達を家に招待してくれた。朝から何も食べていない上に、ずっと歩きまわり、雨に打たれ心身共に疲れ果てていた私達には神様のような人達だった。

トムさんの家はホテルのようにキレイで日本の家電が置いてあった。トムさんが出してくれたシロップのような甘いジュースを飲みながら、家庭料理をご馳走になる。お肉を味付けして焼いたものや、初めて見る葉がたくさん入ったスープ。食後にはスイカやオレンジジュースも頂いた。さすが日本人と味覚が近いだけあって、どれも本当に美味しかった。初対面なのにこんなに良くして頂いて、トムさん夫婦、ケイコさん、ハルさんには本当に感謝した。

三日目。今日はとことん買い物をしようと市内最大のベンタイン市場へ。「オネーサン、イクラー?」と片言の日本語で腕を引っ張ってくる。たくさんのお土産を買ったのに、さらにドンゴイ通りへ。オシャレなお店がたくさん!! バッチャン焼きやモン族の布など、狂ったように買い物をした。夜は、昨日の夜に知り合った日本人の留学生が教えてくれた46Aバインセオへ。ベトナム風お好み焼き「バインセオ」と揚げ春巻きを注文した。日本語メニューもあり、とてもスムーズだった。バインセオも揚げ春巻きも持って帰りたいくらい美味しかった!! ベトナムに来て何度「住みたい!」と思っただろう。

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旅に出ると本当に人の温か味を感じられ、いい出会いがたくさんある。絶対また来よう! と二人で誓ってベトナムを後にした。

  • Thrilling Viet Nam
  • チャイハネ 浜松店 望月杏里
  • シルクロード舞踏館102号 2005.12.01掲載