バラナシの木彫民芸品インドの中心部でヒンズー教聖地のバラナシ(ベナレス)にある、カラフルな色使いと細かな細工が特徴的な木彫りです。一人が一日で二十個程度しか作れない、細かい手作業でできあがる民芸品です。細かく彫られ絵の具で塗られたヒンズーの神々が踊ったり、飛んだり、ポーズをとったりしていて、素朴で愛らしい。現地では、巡礼者たちの記念品として、あるいは家へ神々を招くために買っていかれます。神様だけでなく、インドの庶民の生活風景や、狩や漁、兵隊たち、楽団や動物、ときには貯金箱といった楽しい木彫を作り出しています。 バラナシの木彫技術そのものは、シンプルな道具で作れることから重要な産業の位置付けとなり、様々な影響を経て伝統的に深化していきました。例えば、バラナシ北方近郊にあるサルナートはブッタがはじめて説法を行ったといわれる仏教の聖地で、多くの彫刻師が仏像など仏教に関わる木彫を彫っていました。 現在では、バラナシの木彫アートは、パーテーションなどの家具や、アーチなどの建築、くしや細かいアクセサリー、さらには楽器などにも使われています。 その木彫の伝統の一端としてあらわれた、小さなカラフルな民芸品。手のひらに乗るような小ささですが、そこに施された細かい彫りとペイントのように、インドの信仰と民俗が刻みこまれ色づいています。
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