サリー

サリー

一枚の布で、長さがあるので難しいように思われるが、巻き方は以外にシンプルで簡単である。優雅で美しく華麗な「サリー」。ぜひチャレンジして頂きたい。

ヒンドゥー教での浄衣と呼ばれる「縫製しない衣装」が根源にあるとされ、その歴史は紀元前にまでさかのぼる。

背景には常に宗教との関係を根強く持ちつつ、その時代時代の生活習慣、文化、環境や身分制度との深い関わりが独特なスタイルを生み出し、刺繍等の技術技法、出身地や身分、未婚既婚、カーストまでもがその姿を見てわかってしまうほどその土地土地により独自の歩み方をした。

西海岸地方、ベンガル地方、北インド地方など、同じサリーといえど環境に応じた知恵が生かされたものや、美的感覚が重視されたりと、違いは非常に興味深い。代表的なものとしては、葬式には白いサリー、純白でまったく飾りのないサリーは未亡人を意味するとされているところもあれば、婚礼服で白を用いたり、真紅や緑、黄などを着用したりと複雑である。

基本的にサリーは腰から下半身に一枚の布を巻きつけ残った部分で上半身を覆うのだが、その巻き方もさまざまで、普段は左肩にたらす(ナショナルスタイル)ことが多いが、"祈り"の時や外出時は頭から被ったり寺院などではチョリを隠すようにまとったりと伝統が生きている。

現在ではブラウスや下着などを組み合わせることが増え100%完全に縫製してない布だけを身につけるという習慣は少なくなってきてはいるものの、現代でも多数の女性たちは普段着から着用しており、街中ではサリーでバイクにまたがる姿を見ることができる。外国人の目からすると不思議な光景でもあるが、それだけ生活に根付いている証でもある。これから先もサリーはインドの生きる伝統として人々とともにゆっくりと歩んでいくことであろう。

サリーを着るにあたっての準備

用意するもの

チョリと呼ばれる短いブラウス
紐付きのペチコート
サリーをペチコートに入れ込む作業が出てきます。紐付きでないと着崩れの原因になりますのでご注意を。

サリーの巻き始めと終わり

サリーは仕上がりを計算されて作られており、裾や胸元、肩から下がる部分に装飾されているものが多く、巻き始めはシンプルです。

布の分量が多いので、難しく思われますが、巻き方は以外にシンプルで、あとは慣れです! ぜひ、チャレンジしてみてください。

National style(ナショナル・スタイル)

地方によって巻き方は様々ですが、最もポピュラーな『National style』という着方をご紹介します。
サリー
チョリ、ペチコートを身に着ける。
サリーを持ち、裾をくるぶしくらいに揃え、右端から左方向へ一周巻きつける。ウエストより上にはみ出した部分をペチコートの中へ入れ込む。その際、ウエストの紐が緩んでいないか確認してください。
サリー
入れ込んだら、そのまま後ろに回して右腕の下から左肩にかける。肩から背中へ垂らす長さはひざ下くらいで整える。
サリー
左肩を押さえウエストの左前までサリーを戻す。このときできた輪でプリーツを作る。
付け根を押さえ右に倒し、左に倒しと繰り返していく。この際、幅を10センチほどに揃えてたたんでいくと、完成度が高くキレイなシルエットに仕上がる。
サリー
できたプリーツをウエストに入れ込む。着崩れ防止のため、入れ込む前にプリーツをピンなどで留めるとよい。
サリー
胸元の布を体に添わせ、左肩にもプリーツを作る。肩から垂れた部分を肩幅分くらいでたたんでいくと胸元に美しいドレープができる。
サリー
サリーピン(なければ、スカーフピンなどの針の細いもの)で、肩部分のプリーツを留める。
おでこ(眉間)につけるビンディーや、アクセサリーなどの装飾品で仕上げをしたら完成です。
  • チャイハネ PART 1
  • 喜屋武 渚
サリーのいろいろ
平凡社
世界の民俗衣装
田中千代 編