サンポーニャ南米の民俗音楽「フォルクローレ」で親しまれている、葦の管を並べたパンパイプの総称。サンポーニャとはスペイン語名で、アンデス先住民族の言葉アイマラ語では「シーク」、ケチュア語では「アンタラ」と呼ばれています。大きさによってチュリ、マルタ、サンカ、トヨ等と呼び名が変わる地域もあり、また葦の節もそのままにすべて同じ長さに揃えたタブラシークやスリ・シクーリ、イタラケ、フラフラなど実に様々な種類があります。 遥かインカ帝国以前から種蒔きや収穫などの農耕をはじめとした諸儀礼に用いられてきました。ペルーのカラカスの遺跡から発掘されたサンポーニャは約6000年前のものとされています。 アンデス地方ではサンポーニャやケーナを吹く人は「ビエント(スペイン語で風という意味)」と呼ばれ、サンポーニャはケーナとともに「風」の楽器と呼ばれています。ひとつの筒でひとつの音階を出すことができ、下唇をつけて息を吹き込むと音が出ます。 ギリシア神話の牧神パンの笛で有名なパンパイプはアジア、アフリカ、ヨーロッパ、オセアニアなど世界各地にありますが、一方をド・ミ・ソ、もう一方をレ・ファ・ラ……と2列に分けて2人1組でひとつの曲を吹くという奏法は、アンデス音楽独特のものです。 低音、高音のサンポーニャ組が一緒に大勢のサンポーニャ隊を組んで合奏する、「アウトクトナ」の伝統的なスタイル、2列を束ねてひとりでメロディーを演奏、あるいは2人以上がハーモニーを重ねるスタイルと、様々な奏法が可能です。 現在、最も「フォルクローレ」音楽が盛んなボリビアでは、ジャズやロック、フージョン音楽にもサンポーニャが取り入れられ、古代に生まれたこの楽器は現代音楽と見事な融合を果たしています。
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